中道歯科医院｜富山市高木　むし歯　歯周病　入れ歯　訪問診療　小児歯科　英語対応可 Availble language：Einglish,Department of Dentistry,ToyamaCity

昭和47年２月の社会保険歯科診療報酬改定の改定率は13.70％であったが、今回は、その改定内容を精査する。
前回の昭和45年改定で、 歯科の手術料が約80％引き上げられたので、 今回は、 手術では抜歯と前回据え置かれた点数が少し改正された程度であった。昭和42年と45年の２回の改定で点数間のアンバランスが顕著となってきたことは前回述べたが、歯冠修復及び欠損補綴の点数は、今回も歯冠形成と義歯は大幅に上がったとはいえ充填や鋳造歯冠修復、線鉤や鋳造鉤は据え置かれた。点数間のアンバランスはますます拡大した。
昭和47年の社会保険歯科診療報酬点数表で点数の変化をあげると

◎診察料では、
・初診時基本診療料　　　　　　　　　　　32点→42点 ＋10点
深夜加算 32点→68点 ＋36点
・再診料(単に診察を行った場合のみ)　　 5点→ 6点 ＋1点
・往診料 24点→37点 ＋13点

◎処置料(歯牙疾患の処置)では、
・普通処置 6点→10点 ＋4点
・歯髄覆罩　　　　　　　　　　　　　　　 6点→10点 ＋4点
・根管治療(単根管)　　　　　　　　　　　 6点→10点 ＋4点
根管治療(２根管)　 　　　　　　　　 8点→12点 ＋4点
根管治療(３根管)　　　　　　　　　 　10点→14点 ＋4点
・根管拡大(１根)　　　　　　　　　　　　5点は変わらず
・直抜即時根充(単根管)　　　　　　　 　80点→90点 ＋10点
　直抜即時根充(２根管)　　　　　　　 　90点→100点 ＋10点
　直抜即時根充(３根管)　　　　　　　　 100点→110点 ＋10点
・抜髄(単根管)　　　　　　　　　　　 　20点→23点 ＋3点
抜髄(２根管)　 　　　　　　　　　　　25点→28点 ＋3点
抜髄(３根管)　　　　　　　　　 　　　30点→33点 ＋3点
・失活抜髄即日根充(単根管)　　　　　　 42点→53点 ＋11点
　失活抜髄即日根充(２根管)　　　　　　 51点→62点 ＋11点
　失活抜髄即日根充(３根管)　　　　　　 60点→71点 ＋11点
・根管充填(単根管)　　　　　　　　　 　16点→20点 ＋4点
　根管充填(２根管)　　　　　　　　　 　18点→22点 ＋4点
　根管充填(３根管)　　　　　　　　　 　20点→24点 ＋4点
・歯髄切断(生活)　　　　　　　　　　　 70点→80点 ＋10点
・歯髄切断(失活)　　　　　　　　　　　 20点→23点 ＋3点
・即日充填処置 40点→60点 ＋20点
・歯肉圧排 6点→8点　＋2点
・口腔軟組織疾患の処置 6点→8点　＋2点
・歯石除去(1顎1回につき)　　　　　　　 1/3顎簡単10点、 1/3顎複雑30点は変わらず
・盲嚢掻爬(簡単)　　　　　　　　　　　 1/3顎30点は変わらず
盲嚢掻爬(複雑)　　　　　　　　　　　 1/3顎90点は変わらず
・歯槽膿漏処置 6点→10点　＋4点
・歯冠修復物又は補綴物の除去(1歯につき)　簡単7点、 困難15点は変わらず

◎手術では、
・抜歯術(１歯につき)
１．乳歯 31点→35点 ＋4点
２．前歯 31点→35点 ＋4点
３．臼歯 45点→50点 ＋5点
４．難抜歯(埋伏歯、 歯根肥大、 骨の癒着歯等に対する骨の開さく又は歯根分離術)
150点は変わらず
・抜歯窩再掻爬手術 40点は変わらず
・歯槽骨整形術、骨瘤除去術
１．前歯 　　　　　　 　　　　　　25点は変わらず
２．臼歯 　　　　　　 　　　　　　41点は変わらず
・腐骨除去術
１．簡単なもの 　　　　 　　　　　 41点は変わらず
２．複雑なもの 580点は変わらず
・歯槽堤形成手術 　　　 　　　　　 520点は変わらず
・口腔内消炎手術
１．歯齦膿瘍、骨膜下膿瘍若しくは口蓋膿瘍の切開又は智歯周囲炎の歯齦弁切除等
　　　　　　　　　　 40点は変わらず
２．骨髄炎又は顎骨骨炎等 　　　　 43点は変わらず
・口腔外消炎手術
１．２センチメ−トル未満のもの 　 40点は変わらず
２．５センチメ−トル未満のもの 　 54点は変わらず
３．５センチメ−トル以上のもの 　 68点は変わらず
・歯肉息肉除去手術 40点は変わらず
・顎骨腫瘍手術(歯根嚢腫、 濾泡性歯牙嚢腫、歯齦腫等) 340点→410点 ＋70点
・歯根嚢胞摘出手術
歯冠大 　　　　　　　　　　　　 130点→260点　＋130点
拇指頭大 　　　　　　　　　　　　340点→410点　＋70点
・歯槽骨骨折手術
１歯乃至２歯の範囲　　　　　　　 130点は変わらず
３歯乃至５歯の範囲　　　　　　 270点は変わらす
・顎骨骨折手術(縫合手術を含む) 　　 580点→690点　＋110点
・歯根端切除手術 　　　　　　　　 240点は変わらず
・歯槽膿漏の手術
１．歯肉切除術(１回につき)　　　 180点は変わらず
２．歯肉剥離掻爬手術(１回につき) 270点は変わらず
３．暫間固定術 　　　　　　　　　 130点は変わらず
４．監視 7点→10点 ＋3点
・下顎骨脱臼整復術　　　　　　　 43点→51点 ＋8点
・抜歯窩再掻爬手術 40点は変わらず
・歯槽骨整形術、骨瘤除去術
１．前歯 　　　　　　 　　　　　　25点は変わらず
２．臼歯 　　　　　　 　　　　　　41点は変わらず
・腐骨除去術
１．簡単なもの 　　　　 　　　　　 41点は変わらず
２．複雑なもの 580点は変わらず
・歯槽堤形成手術 　　　 　　　　　 520点は変わらず
・口腔内消炎手術
１．歯齦膿瘍、骨膜下膿瘍若しくは口蓋膿瘍の切開又は智歯周囲炎の歯齦弁切除等
　　　　　　　　　　 40点は変わらず
２．骨髄炎又は顎骨骨炎等 　　　　 43点は変わらず
・口腔外消炎手術
１．２センチメ−トル未満のもの 　 40点は変わらず
２．５センチメ−トル未満のもの 　 54点は変わらず
３．５センチメ−トル以上のもの 　 68点は変わらず
・歯肉息肉除去手術 40点は変わらず
・顎骨腫瘍手術(歯根嚢腫、 濾泡性歯牙嚢腫、歯齦腫等) 340点→410点 ＋70点
・歯根嚢胞摘出手術
歯冠大 　　　　　　　　　　　　 130点→260点　＋130点
拇指頭大 　　　　　　　　　　　　340点→410点　＋70点
・歯槽骨骨折手術
１歯乃至２歯の範囲　　　　　　　 130点は変わらず
３歯乃至５歯の範囲　　　　　　 270点は変わらす
・顎骨骨折手術(縫合手術を含む) 　　 580点→690点　＋110点
・歯根端切除手術 　　　　　　　　 240点は変わらず
・歯槽膿漏の手術
１．歯肉切除術(１回につき)　　　 180点は変わらず
２．歯肉剥離掻爬手術(１回につき) 270点は変わらず
３．暫間固定術 　　　　　　　　　 130点は変わらず
４．監視 7点→10点 ＋3点
・下顎骨脱臼整復術　　　　　　　 43点→51点 ＋8点
・抜歯窩再掻爬手術 40点は変わらず
・歯槽骨整形術、骨瘤除去術
１．前歯 　　　　　　 　　　　　　25点は変わらず
２．臼歯 　　　　　　 　　　　　　41点は変わらず
・腐骨除去術
１．簡単なもの 　　　　 　　　　　 41点は変わらず
２．複雑なもの 580点は変わらず
・歯槽堤形成手術 　　　 　　　　　 520点は変わらず
・口腔内消炎手術
１．歯齦膿瘍、骨膜下膿瘍若しくは口蓋膿瘍の切開又は智歯周囲炎の歯齦弁切除等
　　　　　　　　　　 40点は変わらず
２．骨髄炎又は顎骨骨炎等 　　　　 43点は変わらず
・口腔外消炎手術
１．２センチメ−トル未満のもの 　 40点は変わらず
２．５センチメ−トル未満のもの 　 54点は変わらず
３．５センチメ−トル以上のもの 　 68点は変わらず
・歯肉息肉除去手術 40点は変わらず
・顎骨腫瘍手術(歯根嚢腫、 濾泡性歯牙嚢腫、歯齦腫等) 340点→410点 ＋70点
・歯根嚢胞摘出手術
歯冠大 　　　　　　　　　　　　 130点→260点　＋130点
拇指頭大 　　　　　　　　　　　　340点→410点　＋70点
・歯槽骨骨折手術
１歯乃至２歯の範囲　　　　　　　 130点は変わらず
３歯乃至５歯の範囲　　　　　　 270点は変わらす
・顎骨骨折手術(縫合手術を含む) 　　 580点→690点　＋110点
・歯根端切除手術 　　　　　　　　 240点は変わらず
・歯槽膿漏の手術
１．歯肉切除術(１回につき)　　　 180点は変わらず
２．歯肉剥離掻爬手術(１回につき) 270点は変わらず
３．暫間固定術 　　　　　　　　　 130点は変わらず
４．監視 7点→10点 ＋3点
・下顎骨脱臼整復術　　　　　　　 43点→51点 ＋8点
・抜歯窩再掻爬手術 40点は変わらず
・歯槽骨整形術、骨瘤除去術
１．前歯 　　　　　　 　　　　　　25点は変わらず
２．臼歯 　　　　　　 　　　　　　41点は変わらず
・腐骨除去術
１．簡単なもの 　　　　 　　　　　 41点は変わらず
２．複雑なもの 580点は変わらず
・歯槽堤形成手術 　　　 　　　　　 520点は変わらず
・口腔内消炎手術
１．歯齦膿瘍、骨膜下膿瘍若しくは口蓋膿瘍の切開又は智歯周囲炎の歯齦弁切除等
　　　　　　　　　　 40点は変わらず
２．骨髄炎又は顎骨骨炎等 　　　　 43点は変わらず
・口腔外消炎手術
１．２センチメ−トル未満のもの 　 40点は変わらず
２．５センチメ−トル未満のもの 　 54点は変わらず
３．５センチメ−トル以上のもの 　 68点は変わらず
・歯肉息肉除去手術 40点は変わらず
・顎骨腫瘍手術(歯根嚢腫、 濾泡性歯牙嚢腫、歯齦腫等) 340点→410点 ＋70点
・歯根嚢胞摘出手術
歯冠大 　　　　　　　　　　　　 130点→260点　＋130点
拇指頭大 　　　　　　　　　　　　340点→410点　＋70点
・歯槽骨骨折手術
１歯乃至２歯の範囲　　　　　　　 130点は変わらず
３歯乃至５歯の範囲　　　　　　 270点は変わらす
・顎骨骨折手術(縫合手術を含む) 　　 580点→690点　＋110点
・歯根端切除手術 　　　　　　　　 240点は変わらず
・歯槽膿漏の手術
１．歯肉切除術(１回につき)　　　 180点は変わらず
２．歯肉剥離掻爬手術(１回につき) 270点は変わらず
３．暫間固定術 　　　　　　　　　 130点は変わらず
４．監視 7点→10点 ＋3点
・下顎骨脱臼整復術　　　　　　　 43点→51点 ＋8点
・抜歯窩再掻爬手術 40点は変わらず
・歯槽骨整形術、骨瘤除去術
１．前歯 　　　　　　 　　　　　　25点は変わらず
２．臼歯 　　　　　　 　　　　　　41点は変わらず
・腐骨除去術
１．簡単なもの 　　　　 　　　　　 41点は変わらず
２．複雑なもの 580点は変わらず
・歯槽堤形成手術 　　　 　　　　　 520点は変わらず
・口腔内消炎手術
１．歯齦膿瘍、骨膜下膿瘍若しくは口蓋膿瘍の切開又は智歯周囲炎の歯齦弁切除等
　　　　　　　　　　 40点は変わらず
２．骨髄炎又は顎骨骨炎等 　　　　 43点は変わらず
・口腔外消炎手術
１．２センチメ−トル未満のもの 　 40点は変わらず
２．５センチメ−トル未満のもの 　 54点は変わらず
３．５センチメ−トル以上のもの 　 68点は変わらず
・歯肉息肉除去手術 40点は変わらず
・顎骨腫瘍手術(歯根嚢腫、 濾泡性歯牙嚢腫、歯齦腫等) 340点→410点 ＋70点
・歯根嚢胞摘出手術
歯冠大 　　　　　　　　　　　　 130点→260点　＋130点
拇指頭大 　　　　　　　　　　　　340点→410点　＋70点
・歯槽骨骨折手術
１歯乃至２歯の範囲　　　　　　　 130点は変わらず
３歯乃至５歯の範囲　　　　　　 270点は変わらす
・顎骨骨折手術(縫合手術を含む) 　　 580点→690点　＋110点
・歯根端切除手術 　　　　　　　　 240点は変わらず
・歯槽膿漏の手術
１．歯肉切除術(１回につき)　　　 180点は変わらず
２．歯肉剥離掻爬手術(１回につき) 270点は変わらず
３．暫間固定術 　　　　　　　　　 130点は変わらず
４．監視 7点→10点 ＋3点
・下顎骨脱臼整復術　　　　　　　 43点→51点 ＋8点
◎麻酔料では、
・伝達麻酔
下顎孔又は眼窩下孔にするもの 14点→18点 ＋4点
・浸潤麻酔 7点→11点 ＋4点

 

 

◎ 歯冠修復および欠損補綴料では、
・補綴時診断料 30点の新設
・歯冠形成
生活歯鋳造冠 10点＋材料(生冠形成加算50点)→60＋50点
生活歯ジャケット冠 30点＋材料(生冠形成加算50点)→60点
帯環金属冠 20点→30点 ＋10点
失活歯築造アリ 30点＋材料→60点(鋳造の場合＋50点)
失活歯築造ナシ 30点＋材料→30点(鋳造の場合＋50点)
根面形成 30点の新設
窩洞形成 20点の新設
・印象採得 歯冠修復 10点は変わらず
欠損補綴 簡単20点は変わらず
複雑50点と著しく困難100点は変わらず
・装着 歯冠修復 再6点+材料と新8点+材料→10点＋材料に
ブリッジと有床義歯 20点→30点 ＋10点
口蓋補綴・顎補綴 困難50点、著しく困難100点は変わらず
・銀錫アマルガム(１窩洞につき) 　 20点＋材料は変わらず
・硅酸セメント(１窩洞につき) 28点＋材料→20点＋材料 −8点
・硅燐酸セメント(１窩洞につき) 28点＋材料→20点＋材料 −8点
・レジン(１窩洞につき) 28点＋材料→20点＋材料 −8点
・鋳造歯冠修復(14金・金パラ・その他合金) １個につき50点(1面に付10+材料)は変わらず
・帯環金属冠
１．嚼面圧印冠(金パラ・その他の金属) 70点＋材料→100点＋材料 ＋30点
２．嚼面鋳造充実冠(金パラ・その他の金属) 90点＋材料→100点＋材料 ＋10点
・歯冠継続歯
１．14Ｋ裏装 90点＋材料→100点＋材料 ＋10点
２．金銀パラジウム合金裏装 90点＋材料→100点＋材料 ＋10点
３．その他の合金裏装 90点＋材料→100点＋材料 ＋10点
４．レジン冠 60点＋材料→100点＋材料 ＋40点
５．陶歯冠 60点＋材料→100点＋材料 ＋40点
・ジャケット冠 110点＋材料→150点＋材料 ＋40点
（表２）

 

 

・局部義歯(１床につき)
１．１歯より４歯まで 100点＋材料→150点＋材料　＋50点
２．５歯より８歯まで 130点＋材料→180点＋材料　＋50点
３．９歯より11歯まで 160点＋材料→210点＋材料　＋50点
４．12歯より14歯まで 190点＋材料→240点＋材料　＋50点
遊離端義歯又は複合義歯は所定点数に35点を加算→40点を加算 ＋10点
・総義歯(１顎につき) 340点＋材料→400点＋材料　＋60点
・鋳造鉤(１個につき) 70点＋材料は変わらず
・線鉤(１個につき)
１．双歯鉤 30点＋材料は変わらず
２．両翼鉤(レストつき) 25点＋材料は変わらず
３．レストのないもの 22点＋材料は変わらず
・フック，スパ−　 21点＋材料は変わらず
・ろう着 5点→10点 ＋10点
・バ−(１個につき)
１．鋳造バ− 110点＋材料は変わらず
２．屈曲バ− 55点＋材料は変わらず
・ダミ−
１．前歯部
イ．裏装有り(14Ｋ、金パラ、その他の合金) 110点＋材料→130点＋材料 ＋20点
　ロ．裏装無し(その他の合金) 80点＋材料→130点＋材料 ＋50点
２．臼歯部
イ．金銀パラジウム合金裏装又は鋳造ダミ− 110点＋材料→130点＋材料 ＋20点
ロ．その他の合金裏装又は鋳造ダミ− 110点＋材料→130点＋材料 ＋20点
・口蓋補てつ，顎補てつ(１顎につき)
１．床の印象採得が簡単なもの 110点は変わらず
２．床の印象採得が困難なもの 200点は変わらず
３．床の印象採得が著しく困難なもの 800点は変わらず
・スタディモデル 50点は変わらず
・暫間被覆冠 7点→10点 ＋3点
・リベ−ス(１床につき)
１．１歯より４歯まで 90点→140点　＋50点
２．５歯より８歯まで 120点→170点　＋50点
３．９歯より11歯まで 150点→200点 ＋50点
４．12歯より14歯まで 180点→230点　＋50点
遊離端義歯又は複合義歯は所定点数に35点を加算→40点を加算 ＋10点
　　５．総義歯(１顎につき) 330点→390点　＋60点
・有床義歯修理 65点は変わらず
・帯環金属冠修理(１個につき)
１．金合金冠 50点は変わらず
２．その他の金属冠 30点は変わらず
・金合金鉤修理(１個につき) 40点は変わらず
・歯冠継続歯修理(１歯につき) 55点は変わらず
・補てつ隙 5点→10点 ＋5点
・臼歯金属歯(１歯につき) 5点→10点 ＋5点
（表３）

 

 

昭和47年改定では、 初診料が医科と同様に10点も上がった。 上がった医療費の11.9％を占める。この後も医科にならい初診料が大きく上がっていくこととなる。
処置では、前回新設された即日充填処置が40点から60点に上がり、 上がり分の17.4％を根管治療が13.9％、 普通処置が6点から10点にアップし6.1％を占める。 診察料と処置で全体アップの約半分であった。 今回も歯内療法関係の点数のアップが目立つ。
歯冠修復および欠損補歯冠修復および欠損補綴綴では、補綴診断料が新設されるとともに、 歯冠形成(根面形成、窩洞形成の新設を含む)や有床義歯の点数が大幅に上がった。 上がった医療費の補綴診断料が6.01％、 歯冠形成(根面形成、窩洞形成の新設を含む)が33.2％、有床義歯が10.7％を占める。しかし、充填や鋳造歯冠修復、線鉤、 鋳造鉤、バ−の点数は据え置かれた。今回は歯を削る行為の評価が上がったが、歯科技工に関する項目のアップは今回も少なかった。昭和42、 45、 47年の３回の変な改定の最大の犠牲者は歯科技工士といえる。
これまで、このような詳細な実証分析はだれもやってこなかったが、点数の原価計算方式による改定の原則を無視する、厚生官僚の「勘」と「度胸」で、日本の歯科医療の「歯冠修復および欠損補綴」は前々回、前回と今回の３回の改定で点数間のアンバランスが顕著となった。公定価格を決める上であってはならないことである。