中道歯科医院|富山市高木 むし歯 歯周病 入れ歯 訪問診療 小児歯科 英語対応可 Availble language:Einglish,Department of Dentistry,ToyamaCity
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2014年10月21日
平成26年10月院長のマンスリートーク◆米国における「無駄な医療」の認定
◆米国における「無駄な医療」の認定
厚生労働省は10月8日、2012年度の国民医療費の概況を公表した。国民医療費は、医科・歯科診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費など保険診療に関する費用(患者自己負担含む)を推計したもの。2012年度の国民医療費総額は39兆2117億円で、前年度(38兆5850億円)より6267億円増加(1.6%増)して過去最高となったが、伸びは従来より鈍化した。診療種類別にみると医科診療医療費は28兆3198億円、そのうち入院医療費は14兆7566億円、入院外医療費は13兆5632億円となっている。歯科診療医療費は2兆7132億円(構成割合は6.9%)、薬局調剤医療費は6兆7105億円、入院時食事・生活医療費は8130億円、訪問看護医療費は956億円、療養費等は5597億円であった。
国民医療費の国内総生産(GDP)に占める比率は8.30%で、前年度より0.15ポイント上昇した。人口1人当たりの国民医療費は30万7500円で、前年度(30万1900円)比1.9%増だった。
国民医療費総額の伸び率は2007年度以降、高齢者の急増や医療技術の進歩などにより2〜3%台で推移していたが、2014年度は1.6%にとどまった。外来の受診抑制や入院時食事・生活医療費の減少などが影響したと考えられる。
今月はSAPIOの11月号に載っていた米国における「無駄な医療」の認定の話を紹介する。日本の国民医療費をみるうえで参考になる。
「頭痛で脳波を調べるのは無意味」「前立腺がんのPSA検査はほとんど無意味」−アメリカの各医学会が、これまで行なわれてきた医療行為のなかで無駄なものを追放するキャンペーンを始めている。
こうした患者優先の医療は日本にも波及してくるのか。「絶対に受けたくない無駄な医療」(日経BP社)でこの取り組みを紹介した医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が解説する。アメリカの医学会ではいま、「チュージング・ワイズリー(賢い選択)」というキャンペーンが行なわれている。2011年に米国内科専門医認定機構(ABIM)財団という非営利組織が始めたもので、2013年末までに71の医学会や団体が参加している。
それぞれの分野で行なわれている無駄な治療や検査をピックアップして、国民に公表するという画期的な取り組みだ。現在までに、およそ50の医字会などがすでに約250項目について「無駄な医療」と認定している。例えば、がんの中にはいきなり手術をするのを避けた方がよいがんも存在しているのは意外と知られていない。それは前立腺がんである。
前立腺がんは「前立腺特異抗原(PSA)」という物質の値を血液検査で測定できるようになっている。前立腺がんの可能性をその値の高さから判断できるのだ。結果として、前立腺がんが疑われて、前立腺に針を刺す精密検査からがんが判明する人が増えている。
ただし、そのなかで命に関わるがんは意外と少ない。米国をはじめ、前立腺がんが見つかっても、定期的な検査をするのみで、手術をしない「アクティブ・サーベイランス」という考え方が一般化している。臨床研究の結果、アクティブ・サーベイランスでがんが広がらないかを検査しながら、本当に治療が必要なタイミングを探るだけでも、命を脅かすことはないと分かってきている。
逆に言えば、日本では、前立腺がんが見つかったら、すぐに手術しましょうという場合も珍しくないはずだ。本当に必要な手術であればいいのだが、果たして日本の医師はチュージング・ワイズリーに示されたようなアクティブ・サーベイランスの考え方を知った上で、可能性も探った上で治療開始の判断をしているのか。
命の問題のみならず、手術をすれば、股間にメスを入れる負担があるほか、麻酔の事故、大出血のリスク、手術後のインポテンツ、治療そのものの経済的な負担などがある。果たしてリスクを上回る利益があるのか。改めて考えたいところだ。
このほか関心のある項目としては、大腸がんの内視鏡検査を頻繁にせずに、せいぜい10年に1回でいいという項目がある。日本では毎年のように内視鏡の検査を受けている人もいるのではないか。チュージング・ワイズリーの考え方によれば、無駄ではないかとなる。
チュージング・ワイズリーを眺めていと、日本では当たり前のように行なわれている医療に対して、容赦なく無駄だと指弾しているのを目にすることができる。
2012年の医科診療医療費28兆3198億円(入院医療費14兆7566億円、入院外医療費13兆5632億円の中に無駄な医療があり、今後の課題となろう。歯科診療医療費2兆7132億円にはほとんど無駄なものはないのが現状である。
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国民医療費の国内総生産(GDP)に占める比率は8.30%で、前年度より0.15ポイント上昇した。人口1人当たりの国民医療費は30万7500円で、前年度(30万1900円)比1.9%増だった。
国民医療費総額の伸び率は2007年度以降、高齢者の急増や医療技術の進歩などにより2〜3%台で推移していたが、2014年度は1.6%にとどまった。外来の受診抑制や入院時食事・生活医療費の減少などが影響したと考えられる。
今月はSAPIOの11月号に載っていた米国における「無駄な医療」の認定の話を紹介する。日本の国民医療費をみるうえで参考になる。
「頭痛で脳波を調べるのは無意味」「前立腺がんのPSA検査はほとんど無意味」−アメリカの各医学会が、これまで行なわれてきた医療行為のなかで無駄なものを追放するキャンペーンを始めている。
こうした患者優先の医療は日本にも波及してくるのか。「絶対に受けたくない無駄な医療」(日経BP社)でこの取り組みを紹介した医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が解説する。アメリカの医学会ではいま、「チュージング・ワイズリー(賢い選択)」というキャンペーンが行なわれている。2011年に米国内科専門医認定機構(ABIM)財団という非営利組織が始めたもので、2013年末までに71の医学会や団体が参加している。
それぞれの分野で行なわれている無駄な治療や検査をピックアップして、国民に公表するという画期的な取り組みだ。現在までに、およそ50の医字会などがすでに約250項目について「無駄な医療」と認定している。例えば、がんの中にはいきなり手術をするのを避けた方がよいがんも存在しているのは意外と知られていない。それは前立腺がんである。
前立腺がんは「前立腺特異抗原(PSA)」という物質の値を血液検査で測定できるようになっている。前立腺がんの可能性をその値の高さから判断できるのだ。結果として、前立腺がんが疑われて、前立腺に針を刺す精密検査からがんが判明する人が増えている。
ただし、そのなかで命に関わるがんは意外と少ない。米国をはじめ、前立腺がんが見つかっても、定期的な検査をするのみで、手術をしない「アクティブ・サーベイランス」という考え方が一般化している。臨床研究の結果、アクティブ・サーベイランスでがんが広がらないかを検査しながら、本当に治療が必要なタイミングを探るだけでも、命を脅かすことはないと分かってきている。
逆に言えば、日本では、前立腺がんが見つかったら、すぐに手術しましょうという場合も珍しくないはずだ。本当に必要な手術であればいいのだが、果たして日本の医師はチュージング・ワイズリーに示されたようなアクティブ・サーベイランスの考え方を知った上で、可能性も探った上で治療開始の判断をしているのか。
命の問題のみならず、手術をすれば、股間にメスを入れる負担があるほか、麻酔の事故、大出血のリスク、手術後のインポテンツ、治療そのものの経済的な負担などがある。果たしてリスクを上回る利益があるのか。改めて考えたいところだ。
このほか関心のある項目としては、大腸がんの内視鏡検査を頻繁にせずに、せいぜい10年に1回でいいという項目がある。日本では毎年のように内視鏡の検査を受けている人もいるのではないか。チュージング・ワイズリーの考え方によれば、無駄ではないかとなる。
チュージング・ワイズリーを眺めていと、日本では当たり前のように行なわれている医療に対して、容赦なく無駄だと指弾しているのを目にすることができる。
2012年の医科診療医療費28兆3198億円(入院医療費14兆7566億円、入院外医療費13兆5632億円の中に無駄な医療があり、今後の課題となろう。歯科診療医療費2兆7132億円にはほとんど無駄なものはないのが現状である。