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中道歯科医院
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2020年9月23日
令和2年9月院長のマンスリートーク◆歯科医療費3兆円突破したが−令和元年度医療費の動向より−
令和2年9月院長のマンスリートーク◆歯科医療費3兆円突破したが−令和元年度医療費の動向より−

 9月16日の午後の国会で自民党の菅義偉総裁は国会で指名を受け、第99代の首相に就任し、新型コロナウイルス対策と経済再生を最優先に、行政の縦割り打破や規制改革に取り組む方針を示した。7年9カ月ぶりの首相交代となった。これまで厚生労働相だった加藤勝信氏は内閣の要となる官房長官に就任したため、田村憲久氏が再登板で厚生労働相に就任した。
 なお、新型コロナウイルスについては、10月中に感染症法上の指定感染症の運用の見直しが行われ、入院措置の対象を65歳以上の高齢者や持病のある人らと明確化するほか、医療機関から保健所への届け出作業が簡素化することを政令で規定することになりそうである。今後、重症者を重点的に治療する体制が整えられることは、現場には朗報である。
 厚生労働省では、毎月、医療費の動向を迅速に把握するために、医療機関からの診療報酬の請求に基づいて、医療保険・公費負担医療分の医療費を集計し、「医療費の動向」として公表しているが、今回、令和元年度の集計結果がまとまり8月28日に公表された。
 ここにおける医療費は、速報値であり、労災・全額自費等の費用を含まないことから概算医療費と称される。概算医療費は、医療機関などを受診し傷病の治療に要した費用全体の推計値である国民医療費の約98%に相当している。
 今回の調査結果のポイントを下記に示す。
1.令和元年度の医療費は43.6兆円となり、前年度に比べて約1兆円の増加となった。
2.医療費の内訳を診療種類別にみると、入院17.6449兆円(構成割合40.5%)、入院外14.8542兆円(34.1%)、歯科3.0286兆円(6.9%)、調剤7.7464兆円(17.8%)となっている。歯科医療費の医療機関別では、歯科診療所が2兆8,550億円で1.8%増、病院歯科が1,736億円で5.0%増。
3.医療費の伸び率は+2.4%。診療種別にみると、入院+2.0%、入院外+2.0%、歯科+1.9%、調剤+3.6%となっている。
4.医療機関を受診した延患者数に相当する受診廷日数の伸び率は▲0.8%、診療種目別にみると、入院▲0.3%、入院外▲1.4%、歯科+0.3%となっている。歯科全体の受診廷日数は4億1,829万日。
5.1日当たり医療費の伸び率は+3.2%、診療種別にみると、入院+2.3%、入院外+3.5%、歯科+1.7%、調剤+3.7%となっている。
6.1日当たり医療費は、診療種別にみると、入院37,890円、入院外9,206円、歯科7,240円、調剤9,191円となっている。
7.入院外の1施設あたり年間医療費をみると、個人病院72,115万円、医科診療所10,207万円、歯科病院9,763万円、歯科診療所4,264万円、保険薬局13,251万円となっている。
 なお、入院外の主なる診療科別医科診療所の1施設あたり年間医療費は、整形外科が13,322万円と一番多く、小児科が6,692万円と一番少なく、内科は10,375万円となっている。

 入院外の1施設あたり年間医療費をみると、歯科診療所は医科診療所の41.8%しかない。本来7割であるべき技術料が4割とは医科歯科格差の典型で早めに是正されなければならない。1日当たり医療費も、診療種別にみると、歯科の7,240円は一番少なく、医科入院外の78.6%である。この状態は、菅首相の言う「当たり前」ではない。

 速報値とはいえ、歯科医療費が過去最高で3兆円を突破(構成割合6.9%)したことは評価されて良い。平成19年は2兆4,996億円であったので、この12年間で5,000億増加したことになる。
 歯科の受診廷日数の伸び率が高い所は、沖縄・京都・宮崎・岐阜・滋賀・大阪・広島・香川等で、マイナスの大きい所は、岩手・鳥取・秋田・新潟・茨城・富山等であった(表1)。
 一方、歯科の1日当たり医療費の伸び率が高い所は、秋田・神奈川・長野・岐阜・愛知・奈良・和歌山等で、マイナスの大きい所は、岩手・佐賀・山口・高知・宮城等であった。歯科の1日当たり医療費を都道府県別にみると、秋田県が7,968円と一番多く、鹿児島県が6,422円と一番低く、平均は7,240円であった。鹿児島県は秋田県の80.6%である。日本歯科医師会は都道府県格差の是正をして行くべきであろう。

 8月19日に中医協に出された新型コロナウイルス感染症による医療機関の患者数の変化の資料(5月の対前年度比)によれば、小児科(53.9%)、耳鼻咽喉科(58.3%)、眼科(58.3%)、内科(75.4%)、歯科(76.4%)の減少が顕著であった(表2)。比較的影響が少ないのが、皮膚科(97.4%)、産婦人科(89.3%)である。

 ここまで順調に伸びてきた歯科医療費が、ここにきて大変な事態を招いている。コロナが収束して元に戻るには数年を要しそうである。

   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
良質な音質のBGMを流してます。
患者にとってより安全で安心できる歯科外来診療の環境整備は万全