中道歯科医院|富山市高木 むし歯 歯周病 入れ歯 訪問診療 小児歯科 英語対応可 Availble language:Einglish,Department of Dentistry,ToyamaCity

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中道歯科医院
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2013年10月15日
平成25年10月院長のマンスリートーク ◆歯科医院開業から30年
◆歯科医院開業から30年
10月8日、歯科医院を昭和58年に開業して30年を迎えた。開業した当時は、30年先など想像すらできなかったが、今、こうして過ぎてしまうと、あっと言う間に経過したように思う。さすが、齢60を超え体力的には弱くなったが、仕事量はどんどん増えてきており、何とかこなしている。日々の充実感を胸に、やれるところまで、余裕をもって走って行きたいと思う今日このごろである。今回は、開業してからの30年を振り返ってみる。

昭和52年3月に大学を卒業し、有給の文部教官助手として、恩師総山教授の教室に入れたことが、今日の臨床の原点となっている。総山教授からは、学問的なことだけでなく、生き方の哲学を教わった。「生命の共有」がそれである。「寒天アルジネート連合印象」や「接着性コンポジットレジン」など、臨床上の合理的な実践も、目の前で見せていただき、そのやり方を受け継ぎ日々の診療を行っている。毎日、多くの患者さんを診れるのも恩師の教えを忠実に守っているからであろうか。

開業して8年間は、診療をやりながら、歯科医師会の仕事や歯科医療政策の勉強を積極的に行い、平成3年(1991年)に「歯科医療費問題を考える」(1~4)を日本歯科評論に執筆した。その後、日本歯科評論600号記念誌に「“技術料ー”の考え方とその位置づけー歯科医師の所得を中心としての評価ー」を書き、「良質で効率的な歯科医療とは何か」(1~4)につながった。そして、コラム形式ではNo.615からNo.818まで計434ページを毎月発信し続けた。当初は、こんなに長く続くことは予想していなかったが、書き続けてきたことの意義はあると思っている。

「歯科医療費問題を考える」(その1歯科診療所経営の実態と診療報酬改定)が歯科医療問題の著作の原点であるが、そこでは、中医協医療経済実態調査結果の収支差額が実態より多めに出ていること、歯科の自然増が少ないこと、初診・再診料に不合理な医科歯科格差があることを指摘し、診療報酬の総枠拡大(改定率に歯科診療所の数の増加を考慮すること)が必要であることを説いたが、今でもそのことは通ずる。

この間自分が書いたことで歯科界の出来事で変わったと思われる事柄を記述してみる。

  1. 歯科診療所の経営実態を論ずるとき、中医協の医療経済実態調査の数値が使われてきたが、保険収入は歯科医療費を歯科診療所の数で割った方が正確であるとしたことに関し、最近では日歯も歯科医療費を歯科診療所の数で割った値を使うようになってきている。医療経済実態調査は「患者調査」とともに調査環境はよくない。

  2. 診療報酬改定の影響率の分析を平成6年から行ってきたが、日歯や保団連でも社会医療診療行為調査を使った頻度計算で改定の検証を行うように変わってきた。

  3. 改定所要率の分析で、委託技工費を日歯は消費者物価指数に連動するとしていたが、筆者の指摘で、その後賃金指数にスライドさせるものに変えた。

  4. 初診・再診料に不合理な医科歯科格差があることを書いたところ、保団連信越北陸ブロック会議が発端で、全国自治体の意見書や、国会での質問(地元の安田議員ら)、質問主意書にもつながり格差是正への動きが加速され、初診料10点、再診料5点がアップになった。その後初診料は、かかりつけ歯科医初診料という形で医科歯科同額までいったが、日歯連の事件で逆戻りしたことは遺憾である。

  5. いわゆる「混合診療」への歯科の対応では、小臼歯部の硬質レジン前装冠、歯周組織再生誘導法、顎関節症の補綴学的治療、接着ブリッジによる欠損補綴ならびに動揺歯固定、小児齲蝕の治療後の指導管理は安全性、有効性が確立され、普及性があり保険導入すべきと記述した後、一部が保険導入された。

  6. 連盟の会費の使い方がおかしく無駄使いが多ので、会費を値下げする必要性を説いてきたが、会費は年間3万6千円から2万3千円に値下げになった。

  7. 「入れ歯人口」(有床義歯装着者)はいろいろな数値が用いられたが、筆者が歯科疾患実態調査を使い計算した昭和50年1,666万、56年1,948万、62年2,133万、平成5年2,116万、11年2,047万、17年2,223万人に近い数値がマスコミに載るようになってきた。

  8. 在宅歯科診療の対象者を「常時寝たり等」としている、ばかげた事態に対し日歯は厚生労働省に厳重抗議しないと、在宅歯科診療が進まないし、国民が不利益を被ると書いてきたが、やっと対象者が医科と同じ「在宅等において療養を行っており、通院が困難な患者」に改定された。

「歯科の適正医療費は4兆円」はこれまでの連載の総決算であるが、それにしても将来予測はなかなか当たらないことを痛感させられた。この間、長崎県のスタディーグループの講演を手始めに、函館歯科医師会での講演まで、全国を回らせてもらった。2年間日歯の生涯研修セミナーの講師を努めたこともあった。10年前、天皇・皇后両陛下のご臨席を仰ぎ帝国ホテルで行われた日歯100周年記念式典に出席できたことが、この仕事を続けてきた良き思い出として脳裏に刻まれている。

100周年というと、今年富山県歯科医師会は創立100周年を向かえ記念式典を12月1日に挙行する。併せて、記念史の発刊と10月6日には30年ぶりに物故会員の追悼慰霊祭をおこなった。30年前の創立70周年を記念して発刊された、富山県歯科医師会のあゆみには、本会は、大正3年10名の会員によって設立され、故島川安次郎氏が初代会長に就任し、ここに初めて富山県歯科医師会が誕生したのでありますと記載されたが、戦前の詳細な歴史に関する記述は一切なく、昭和23年2月5日の社団法人富山県歯科医師会設立の許可から始まった。今回の100周年記念史では、大正3年から昭和21年までの本会の動きについても記載すべく、小生を委員長として記念史編纂委員会を設け、歴史の解明に乗り出した。当初、100年も前の資料が残っているのかどうか不安であったが、調べていくうちに、かなりの物が収集され、ほぼ戦前の会の流れが把握でき、戦前の歴代会長11名の顔写真が奇跡的に全員のものが入手できた。先輩が雲の上から応援してくれているようである。

記念史の編纂を通じて、諸先輩がどんな道を歩んできたかを知って、自分が現在いる立ち位置をはっきりさせることができたが、歴史の重みを身をもって実感させられた。

今後も、自院のホームぺージ(/)に「院長のマンスリートーク」として毎月情報発信は続けていきたいと考えている。

   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
良質な音質のBGMを流してます。
患者にとってより安全で安心できる歯科外来診療の環境整備は万全