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中道歯科医院
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2012年6月15日
平成24年6月院長のマンスリートーク ◆平成23年歯科疾患実態調査より
◆平成23年歯科疾患実態調査より
歯科疾患実態調査は、わが国の歯科保健状況を把握し、今後の歯科保健医療対策の推進に必要な基礎資料を得ることに目的に、昭和32年から6年ごとに実施されており、その調査結果は世界的にも貴重な資料である。今回、平成23年に行われた調査結果の概要が発表されたので、以下にその内容を簡単なコメントを加え記す。

う蝕とその処置状況は、5歳以上10歳未満の乳歯においては、各年齢とも現在歯に対してう歯を持つ者の割合は40%を超えていた。7歳未満の各年齢において過去の調査と比較すると、現在歯に対してう歯を持つ者の割合、1人平均df歯数(dft指数)、1人平均未処置歯数のいずれも減少傾向を示している。

永久歯においては、5歳以上10歳未満の年齢階級では現在歯に対してう歯を持つ者の割合は10%であった。20歳以上80未満の各年齢階級では8割以上にのぼった。過去の調査と比較すると、5歳以上25歳未満の各年齢階級では減少する傾向を示したが、45歳以上では、増加傾向を示していた。

5歳以上15歳未満の1人平均DMT歯数(DMFT指数)は、近年、減少傾向を示しており、今回調査における12歳児のDMFT指数は1.4(学校保健統計調査は1.2であったので0.2多い)であった。15歳以上においてDMFT指数を過去の調査と比較すると、若年者において減少する傾向がみられるとともに50歳以上の各年齢階級においても減少する傾向がみられた。う蝕の処置状況は若年層では充填が多かったが、高齢者ではクラウン、とくに架工義歯(ブリッジ)の支台となるクラウンが多かった。

喪失歯の状況とその補綴状況については、5歳以上の多くの年齢階級で喪失歯を有する番の率(喪失歯所有者率)は、過去の調査より減少する傾向を示し、1人平均喪失歯数も減少する傾向を示した。

装着された補綴物の内訳は、80歳未満の各年齢階級では、部分床義歯装着者より架工義歯(ブリッジ)装着者が多く、80歳以上85歳未満の年齢階級では部分床義歯装着者が多かったが、85歳以上の年齢階級では全部床義歯装着者が多かった。

現在歯の状況(20本以上の歯を有する者の割合等)では、20本以上の歯を有する者の割合は増加傾向にある。なお、75歳以上80歳未満(15.6本、47.6%)、80歳以上85歳未満(12.2本、28.9%)の年齢階級の数値を単純平均することで80歳での数値を推定すると、1人平均現在歯数では13.9、20本以上の現在歯を持つ者の割合での推定値は38.3%となる。75歳以上80歳未満で20本以上の現在歯を持つ者の割合は前回27.1%、70歳以上75歳未満で20本以上の現在歯を持つ者の割合は前回42.41%であったので、今回の値75歳以上80歳未満(15.6本、47.6%)は少し高すぎるかもしれない。

40歳以上の男女比較において、80歳以上では1人平均現在歯数、20本以上の歯を持つ者の割合ともに男性のほうが女性よりもやや高値を示した。

歯肉の状況は、若年者においては歯肉に所見のある者、診査対象歯のない者が少なかったが、高齢になるにつれ歯肉に所見のある者および対象歯のない者が多かった。4mm以上の歯周ポケットを持つ者の割合について前回調査(平成17年)と比較すると、30〜60歳代では概ね低値を示した。最大値は前回は60〜64歳で51.2%であったが、今回は65〜69歳で50.8%であった。一方、75歳以上の高齢者層では今回調査のほうが高値を示した。この原因として現在歯の増加が考えられる。

歯列・咬合の状況では、12歳以上20歳未満で叢生のある者は約44%(前回39.8%)、歯列に空隙のある者は約12%(前回11.8%)であった。

1歳以上15歳未満においてフッ化物塗布を受けたことのある者は63.6%(前回59.2%)であった。その内訳をみると、15.3%が市町村保健センター等で、38.7%がその他の医療機関で、そして9.5%が両方で受診したと回答した。フッ化物塗布を受けたことのある者の割合は、調査を重ねるごとに増加しているが、増加率は鈍くなってきている。

歯ブラシの使用状況については、1歳以上の者は、毎日歯をみがく者の割合は95.4%(1回21.9%、2回48.3%、3回以上25.2%)であった。ときどきみがく者1.8%(前回2.5%)、みがかない者1.2%(前回1.4%)であった。毎日複数回歯をみがく者の割合は近年増加している。

15歳以上の者は、インブラントが入っていると回答した者は2.6%であり、55〜74歳で
高い割合を示した。前回はほとんどゼロに近い値であったのでここ6年で大幅に増えたことになる。

12歳児のDMFT指数や8020達成者の割合など重要な数値への信頼性が薄らいでいる。調査環境の悪化、特に被調査者の数の減少(昭和32年30,504人→平成23年4,253人)が大きな原因であるが、信頼性を増すために被調査者の数を15,000人程度にすべきである。

   


当院の特徴紹介
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