中道歯科医院|富山市高木 むし歯 歯周病 入れ歯 訪問診療 小児歯科 英語対応可 Availble language:Einglish,Department of Dentistry,ToyamaCity
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2017年8月7日
平成29年8月院長のマンスリートーク◆歯科診療行為の67.2%が低評価−タイムスタディ−調査2016年から−
平成29年8月院長のマンスリートーク◆歯科診療行為の67.2%が低評価−タイムスタディ−調査2016年から−
日本歯科医学会は、1992年頃から歯科診療の主要部分である、外来診療(一般開業医)における診療項目に要する所要時間の計測をタイムスタディー調査として行い、1996年(1995年度版)、2005(2004年度版)、2011年(2010年度版)にその調査報告を公表している。タイムスタディーは、歯科診療評価のうちドクターフィー的要素とされる技術料関係部門の重要な因子として位置づけられている。今般、日本歯科医学会は歯科診療の実態を把握し、中医協等関係方面における技術評価にかかる提案等に資する資料を作成することを目的に再度、タイムスタディー調査を実施した。
今回の調査項目は、前回の診療項目(−般歯科外来診療および在宅歯科診療で行われるほぼ全ての診療項目)に周術期口腔機能管理を加えた。診療項目別では、保存修復63項目、歯内治療97項目、歯周治療98項目、義歯58項目、クラウンブリッジ79項目、口腔外科92項目、在宅歯科診療47項目、顎関節症・歯ぎしり38項目、歯科麻酔13項目、歯科矯正82項目、小児歯科119項目、周術期口腔機能管理31項目、歯科放射線(大学病院のみ)13項目の計830項目であった。
所要時間1分あたりの保険診療報酬をさらに検討するために、項目を評価の低いグループ(I群)5点未満(1時間あたり約3,000円以下)から5点ごとに評価の高いグループ(Ⅶ群)30点以上(1時間あたり約18,000円以上)までの7群に分け、それぞれの群における各領域の占める割合を示した。今回調査された775項目のうち、評価の低いI群には280項目(36.1%)、Ⅱ群には146項目(18.8%)、Ⅲ群には95項目(12.3%)と振り分けられた。調査した項目の67.2%が評価の低いカテゴリーに分類された。また、評価の低いⅠ群、Ⅱ群、Ⅲ群が、各領域の項目に占める比率を見てみると、保存修復で79.0%、歯内治療で67.9%、歯周治療で72.7%、義歯で86.2%、クラウンブリッジで76.0%、在宅歯科診療で71.1%、顎関節症・歯ぎしりで75.0%、歯科麻酔で84.6%、小児歯科で68.7%、歯科放射線で77.0%、周術期口腔機能管哩で64.6%であった。口腔外科は41.0%、歯科矯正は41.2%で他の領域より比較的恵まれていた。口腔外科は医科とダブる所が多いことで、歯科矯正は頻度が少ないことで優位となっている。一部を例外として、多くの領域が評価の低いⅠ〜Ⅲ群に含まれていた。各診療行為項目の詳しい調査結果を表で示す。
評価の低いグループ(I群)5点未満(1時間あたり約3,000円以下)には、前回と同様、メタルコアの形成・印象・咬合採得、装着料、テンポラリークラウン、う蝕処置、外科後処置、歯冠修復物除去、根管内異物除去、歯科衛生実地指導料、マイオモニター、ワンピースキャストブリッジの試適、鋳造歯冠修復物(特にインレー)、有床義歯(1−8歯)などが入っており、大幅な点数アップが望まれる。
前回までの「初診」における「時間計測範囲」は「受付事務、基本セットの準備、初診行為(問診、診査、バイタル測定、診断及びインフォームドコンセントを含む)に要した時間」としていた。今回の調査においてはドクターフィー的要素の観点より受付、会計事務を除き「患者導入、基本セットの準備、初診行為(問診、診査、バイタル測定、診断及びインフォームドコンセントを含む)に要した時間」としたため事務処理に係る時間が計測されないため、所要時間が5分前後短くなった。
実際の受付、会計業務の内容を調べると、受付での患者応対、診療記録の管理充実、電子化に伴う業務の増加などにより、より多くの作業と時間を要することがわかった。大学病院で調査を行ったところ、「初診業務」では、保険証・紹介状の確認、患者情報の登録・基本情報(カルテl号用紙)、健康調査票・診察券・外来伝票の発行、登録した基本情報の確認(氏名、生年月日、住所等)、基本情報・紹介状等のスキャン、患者への基本情報の誤りがないかの確認、診療室への案内などが挙げられた。また「会計業務」では、保険証の確認、保険証変更時に書き換え作業、当日の会計関連入力、明細書・領収書の発行、投薬有りの場合の処方・処方箋処理作業などが挙げられる。歯科診療所においても同様な業務内容と判断できる。
これらの作業について、参考として大学病院の現場で確認してみると、所要時間は最低15分以上30分以内を要した。これらを加味すると、今回の「初診」の所要時間に実際に事務作業も加えると前回より多くの時間を要することが示唆された。歯科の初診料・再診料を医科並にしなければならない事の正当性が裏付けられる内容である。
今回も、本調査の資料をさらに活用することを目的として、歯科診療の代表的な診療行為について多くの症例を提示して、総所要時間と保険診療報酬評価に人件費を加味して評価(保険点数×10/人件費の比率について、診療項目を統合して成立する一連の行為として評価)すると、例えば、単純コンポジット充填例では0.39、複雑コンポジット充填例では0.32など、多くの症例において人件費を加味すると、保険点数は人件費からみてかなり低水準の評価となることが明らかとなった。
このタイムスタディーのみで保険診療報酬の評価について言及することはできないが、歯科医師の稼働時間、人件費の両面から見ても保険診療報酬体系が不均衡(3分の2が低評価)になっている。各方面(特に日本歯科医学会や日本歯科医師会)がこの不均衡を是正するための働きかけをしないと、適正歯科医療費4兆円は実現しない。
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今回の調査項目は、前回の診療項目(−般歯科外来診療および在宅歯科診療で行われるほぼ全ての診療項目)に周術期口腔機能管理を加えた。診療項目別では、保存修復63項目、歯内治療97項目、歯周治療98項目、義歯58項目、クラウンブリッジ79項目、口腔外科92項目、在宅歯科診療47項目、顎関節症・歯ぎしり38項目、歯科麻酔13項目、歯科矯正82項目、小児歯科119項目、周術期口腔機能管理31項目、歯科放射線(大学病院のみ)13項目の計830項目であった。
所要時間1分あたりの保険診療報酬をさらに検討するために、項目を評価の低いグループ(I群)5点未満(1時間あたり約3,000円以下)から5点ごとに評価の高いグループ(Ⅶ群)30点以上(1時間あたり約18,000円以上)までの7群に分け、それぞれの群における各領域の占める割合を示した。今回調査された775項目のうち、評価の低いI群には280項目(36.1%)、Ⅱ群には146項目(18.8%)、Ⅲ群には95項目(12.3%)と振り分けられた。調査した項目の67.2%が評価の低いカテゴリーに分類された。また、評価の低いⅠ群、Ⅱ群、Ⅲ群が、各領域の項目に占める比率を見てみると、保存修復で79.0%、歯内治療で67.9%、歯周治療で72.7%、義歯で86.2%、クラウンブリッジで76.0%、在宅歯科診療で71.1%、顎関節症・歯ぎしりで75.0%、歯科麻酔で84.6%、小児歯科で68.7%、歯科放射線で77.0%、周術期口腔機能管哩で64.6%であった。口腔外科は41.0%、歯科矯正は41.2%で他の領域より比較的恵まれていた。口腔外科は医科とダブる所が多いことで、歯科矯正は頻度が少ないことで優位となっている。一部を例外として、多くの領域が評価の低いⅠ〜Ⅲ群に含まれていた。各診療行為項目の詳しい調査結果を表で示す。
評価の低いグループ(I群)5点未満(1時間あたり約3,000円以下)には、前回と同様、メタルコアの形成・印象・咬合採得、装着料、テンポラリークラウン、う蝕処置、外科後処置、歯冠修復物除去、根管内異物除去、歯科衛生実地指導料、マイオモニター、ワンピースキャストブリッジの試適、鋳造歯冠修復物(特にインレー)、有床義歯(1−8歯)などが入っており、大幅な点数アップが望まれる。
前回までの「初診」における「時間計測範囲」は「受付事務、基本セットの準備、初診行為(問診、診査、バイタル測定、診断及びインフォームドコンセントを含む)に要した時間」としていた。今回の調査においてはドクターフィー的要素の観点より受付、会計事務を除き「患者導入、基本セットの準備、初診行為(問診、診査、バイタル測定、診断及びインフォームドコンセントを含む)に要した時間」としたため事務処理に係る時間が計測されないため、所要時間が5分前後短くなった。
実際の受付、会計業務の内容を調べると、受付での患者応対、診療記録の管理充実、電子化に伴う業務の増加などにより、より多くの作業と時間を要することがわかった。大学病院で調査を行ったところ、「初診業務」では、保険証・紹介状の確認、患者情報の登録・基本情報(カルテl号用紙)、健康調査票・診察券・外来伝票の発行、登録した基本情報の確認(氏名、生年月日、住所等)、基本情報・紹介状等のスキャン、患者への基本情報の誤りがないかの確認、診療室への案内などが挙げられた。また「会計業務」では、保険証の確認、保険証変更時に書き換え作業、当日の会計関連入力、明細書・領収書の発行、投薬有りの場合の処方・処方箋処理作業などが挙げられる。歯科診療所においても同様な業務内容と判断できる。
これらの作業について、参考として大学病院の現場で確認してみると、所要時間は最低15分以上30分以内を要した。これらを加味すると、今回の「初診」の所要時間に実際に事務作業も加えると前回より多くの時間を要することが示唆された。歯科の初診料・再診料を医科並にしなければならない事の正当性が裏付けられる内容である。
今回も、本調査の資料をさらに活用することを目的として、歯科診療の代表的な診療行為について多くの症例を提示して、総所要時間と保険診療報酬評価に人件費を加味して評価(保険点数×10/人件費の比率について、診療項目を統合して成立する一連の行為として評価)すると、例えば、単純コンポジット充填例では0.39、複雑コンポジット充填例では0.32など、多くの症例において人件費を加味すると、保険点数は人件費からみてかなり低水準の評価となることが明らかとなった。
このタイムスタディーのみで保険診療報酬の評価について言及することはできないが、歯科医師の稼働時間、人件費の両面から見ても保険診療報酬体系が不均衡(3分の2が低評価)になっている。各方面(特に日本歯科医学会や日本歯科医師会)がこの不均衡を是正するための働きかけをしないと、適正歯科医療費4兆円は実現しない。