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中道歯科医院
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2018年1月19日
平成30年1月院長のマンスリートーク◆今春の診療報酬改定率はどう決まったか
平成30年1月院長のマンスリートーク◆今春の診療報酬改定率はどう決まったか
 医療政策の関係者は2018年度を「惑星直列」「当たり年」と呼ぶ。2年周期の診療報酬と3年周期の介護報酬の“ダブル改定”があるほか、医療費適正化に向けて都道府県が策定した「地域医療構想」も本格的に始まるからだ。国民健康保険の運営を市町村から都道府県に移し、財政基盤を安定させる改革も今年4月がスタートだ。
 政府は昨年12月18日、2018年度の診療報酬の改定率を、医師の人件費などに当たる本体部分はプラス0.55%、医薬品や医療材料の公定価格である薬価・材料費は、薬価制度の抜本改革による効果を含めずにマイナス1.4%とすることを決めた。本体と薬価・材料費の診療報酬全体では0.9%のマイナス改定となる。一方、介護報酬は0.54%引き上げる。これにより、18年度の同時改定は、診療報酬本体と介護報酬の同時プラスで決着した。
 診療報酬本体の内訳は、医科が0.63%、歯科0.69%、調剤0.19%のいずれもプラス。一方、薬価・材料費は、薬価が1.36%、材料費が0.09%の共にマイナス。薬価は、2016年12月に政府がまとめた薬価制度の抜本改革による効果を含めるとマイナス1.65%で、この場合の全体での改定率はマイナス1.19%。
 今月は「今春の診療報酬改定率はどう決まったか」について日本医師会や日本歯科医師会の動きも含め、これまで報道されてきたものに基づき詳しくみてみたい。
 昨年の10月25日、財務省の財政制度等審議会財政制度分科会は2018年度の診療報酬改定について、医療費の伸びを高齢化の範囲内にするためには、診療報酬改定1回当たり、「2%台半ば以上のマイナス改定が必要」との考えを示した。会見した成城大学経済学部特任教授の田近栄治分科会長代理は「財政審としては、診療報酬本体をマイナス改定すベきという方向だった」と紹介した。薬剤師の技術料に当たる調剤報酬についても多くの議論が割かれたと説明。「調剤報酬全体として、水準を十分に引き下げる」ことを求めた。
 10月27日、加藤勝信厚生労働大臣は、「来年度予算編成に向けては、2015年に閣議決定された『3年で1.5兆円程度』の目安の達成に向けて、病床機能の再編や地域における医療・介護の切れ目のない提供体制の構築など社会保障サービスのニーズに的確に対応しつつ、同時に聖域なき見直しを行っていく。平成30年度診療報酬の改定については、いわゆる団塊の世代が75歳以上になる2025年を見据えつつ、質が高く効率的な医療提供体制をどう構築していくかということが重要だと思う。」と述べた。
 今次改定の大きな問題は2つ指摘されていた。第一は、入院病棟の再構築。急性期病棟のうち、看護基準が最も手厚く入院基本料が最も高い入院病棟は、約35万床あるが、必ずしも重症患者が入院しているとは限らないこと。第二は、調剤薬局の報酬引き下げ。医薬分業が進展し薬局数は5万8千件(15年)とコンビニ店舗数を上回った。薬剤師1人あたりの処方箋数は減少傾向にあるが、過去の調剤報酬上げが経営に規律を働きにくくさせていることである。
 11月8日、日本医師会副会長の中川俊男氏は定例記者会見で、同日の中医協で公表された「第21回医療経済実態調査」で、2016年度の一般病院の損益差額率はマイナス4.2%であるなど、医療機関の経営悪化が示されたことを踏まえ、「厳しい状況と受け止めている」とし、「プラス改定にしなければいけないのは明白」と主張、11月22日に予定されている「国民医療を守るための総決起大会」など、さまざまな場でプラス改定を求めていく方針を示した。
 厚労省から発表された医療経済実態調査によると、2016年度の一般病院の損益率はマイナス4.2%、国公立を除く一般病院の損益率はプラス0.1%となっていた。これに対し財務省主計局の補足税明によると、「これらの計数については、集計上、損益率が高い医療法人の施設数の割合が実際より小さく、損益率の低い公立病院の施設数の割合が実際より大きいため、必ずしも一般病院全体の経営状況を適切に反映していない面がある」と指摘。実際の開設者別施設数の分布を踏まえた、各年度の損益率で判断する必要があるとした。
 11月16日、政府の行政改革推進会議は、各府省の事業にむだがないか、外部の有識者を交えて公開の場で検証する「秋のレビュー」で、厚生労働省や国土交通省など3つの省の15の事業について検証作業を行った。この中で、調剤薬局に支払う薬剤師の技術料が病院で薬の処方を受けた場合の技術料よりも高く設定されている結果、患者の負担額が3倍程度高くなっていることを取り上げた。
 11月21日、自民党の国民歯科問題議員連盟(尾辻秀久会長)の総会が党本部で開かれ、出席した議員から初・再診料の医科・歯科間の格差是正を求める意見や、歯科衛生士・技工士の人材育成と確保を進める必要性を指摘する声などが上がった。
 11月22日、日医などで作る国民医療推進協議会(会長・横倉義武日医会長)が東京永田町で開いた「国民医療を守るための総決起大会」は、医療関係者や与党の厚労族議員ら計約800人で埋め尽くされた。
 11月24日の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)に、厚生労働省は、2018年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)を提示、各論での幾つかの指摘や意見は出たが、おおむね了承を得た。医療部会の次回開催予定は12月6日で、社保審医療保険部会でも並行して議論しており、12月の第一週には基本方針が決定する見通しとなった。
 基本方針(骨子案)は、「改定に当たっての基本認識」「「改定の基本的視点と具体的方向性」「将来を見据えた課題」から成る。「改定の基本的視点と具体的方向性」の柱は次の4つであった。
1.地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進(重点課題)
2.新しいニーズにも対応できる安心・安全で質の高い医療の実現・充実
3.医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進の向上
4.効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性
 11月29日夜、東京都内のホテルで開かれた自民党参院政審会長の武見敬三氏の政治資金パーティ−で日歯連の高橋英登会長は、「われわれは『集票マシン』。一生懸命、票を集めて選挙を戦っていく」と発言した。武見氏は、故武見太郎元日医会長の息子で、医政に精通する国会議員の一人。会場には日医の横倉義武会長をはじめ、さまざまな医療関連団体幹部の姿があったが、医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は「診療報酬目当てで政治献金を行うことは『点数を金で買っている』との批判を免れず、社会の信頼を損ねる。長期的な医療の発展にもマイナスだ」と指摘している。日歯連の会長がこんな発言をしているようでは、再び同じような事件を繰り返す。懲りない人だ。
 12月1日の経済財政諮問会議で、安倍晋三首相は2018年度予算編成で焦点の薬価制度改革や次期診療報酬改定における遠隔診療の評価などを着実に実施するよう加藤勝信厚労相に指示した。この日の詰問会議では2018年度予算編成の策定方針を了承した。民間議員は会議の席上、厚労省が中医協に示した薬価制度改革の骨子案に明記された長期収載品の薬価について、後発品と同一水準に達成する期間(最大16年)のさらなる短縮を求めた。
 12月5日、自民党の「国民医療を守る議員の会」総会が国会議員会館内で行われ、2018年度診療報酬・介護報酬同時改定と税制改正大綱策定に当たって、診療報酬の本体部分のプラス改定など6項目の課題に取り組むことを決議した。総会には日本医師会から横倉義武会長ら日医執行部、各都道府県医師会からも代表者が出席。横倉氏は「薬価改定の議論が先行しているが、医療提供体制全体を俯瞰した議論を行っていく必要がある」と発言した。
 12月12日、政府与党は、医療機関に支払う診療報酬について、来年4月の改定で全体を1%弱引き下げる方向で最終調整に入った。薬の公定価格である「薬価部分」を1.3%程度引き下げる一方、医師らの技術料や人件費に当たる「本体部分」は0.55%アップさせることになった。差し引きではマイナスとなり、税金や保険料、1〜3割の患者負担を合わせた医療費全体で4千億円程度の削減につながる。
 12月13日、中医協総会(会長:田辺国昭・東京大大学院教授)は、2018年度診療報酬改定に対する支払い側と診療側の意見書を加藤勝信厚生労働相に提出する方針を確認した。この日は各側から提出された改定に関する見解について議論する予定だったが、意見表明の前に本体部分「0.55%で決着」と報道されたことに支払い側が「前代未聞。中医協の在り方を疑問視する事態だ」などと強い問題意識を示した。
 予算編成で最大の焦点だった診療報酬改定は、医師らの技術料や人件費に当たる「本体部分」を0.55%引き上げることで事実上決着した。前回の0.49%増を上回るプラス改定となった背景には、先の衆院選で支援を受けた日本医師会の恩に報いたいという安倍晋三首相の配慮がのぞく。所管する厚生労働省は最後に蚊帳の外となり、マイナスを主張していた財務省も白旗を揚げる結果となった。
 低い改定率について日医や日歯の会長は不満の意を述べたが、診療報酬改定を巡る駆け引きは最近儀式化してきており、これからも同じことが2年ごとに繰り返されていく。
   


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