中道歯科医院|富山市高木 むし歯 歯周病 入れ歯 訪問診療 小児歯科 英語対応可 Availble language:Einglish,Department of Dentistry,ToyamaCity
〒930-0106
富山市高木2366-1
TEL:076-436-1311
休診日:木曜午後・日曜・祝祭日・お盆・年末年始
2019年2月18日
平成31年2月院長のマンスリートーク◆歯科界初の映画「笑顔の向こうに」を見て
平成31年2月院長のマンスリートーク◆歯科界初の映画「笑顔の向こうに」を見て
日本歯科医師会の全面協力のもと製作された映画「笑顔の向こうに」が2月15日に公開されたので、早速見てきた。歯科の現場、特に歯科技工士と歯科衛生士が主役を務める映画で原案・製作総指揮を日本歯科会常務理事瀬古口精良先生があたり、エグゼクティブプロデューサーを井内徳次さんが努めた。9日間で撮影されたという。
この作品は、第16回モナコ国際映画祭の最優秀作品賞、助演男優賞(丹古母鬼馬二−在宅の患者役)を受賞した。
瀬古口精良先生によれば、企画のきっかけは3つあったという。まず、1つ目は、むし歯がなく歯科診療所へ通ったことのある若者が減ってきていることから、 歯科技工士や歯科衛生士という職種が存在することを伝えること、2つ目は、口腔の健康が全身の健康に繋がることを映像で表現すること、3つ目は、平成30年に「8020」運動が30周年を迎え、8020達成者が50%超まで上昇したことである。
ストーリーは、技術が高く、容姿も端麗で「王子」と呼ばれるほどの若手の優秀な歯科技工士(23歳)と新人の歯科衛生士が金沢から都会の歯科診療所(山田デンタルクリニック−院長は口が悪い、他歯科医師1、歯科衛生士2、受付1)で働くようになり、患者さんや取り巻く人々と触れ合いながら成長するという内容。日歯会長の堀憲郎氏や瀬古口精良先生もエクストラで出演している。
ダブル主演というような形で、歯科技工士役には高杉真宙さん、歯科衛生士役には安田聖愛さんが選ばれた。二人は高校の同級生。高杉真宙さんは仕事に対する意欲、目つきが歯科技工士役に向いており、安田聖愛さんは秋田美人で、お姉さんが現役の歯科衛生士で秋田から都会に出てきて働いているという。木村祐一、佐藤藍子、藤田朋子、中山秀征、秋吉久美子、松原知恵子ら実力派俳優が脇を固めている。
在宅で寝たきりの方の誤嚥性肺炎の可能性や口腔健康管理など歯科医療の重要性が理解できる内容で、心温まる青春感動ストーリー。ただ、23歳の優秀な歯科技工士という設定や、口腔外から回転しているタービンを口に入れるなど、専門家としては治療内容に疑問がある点も若干あった。多くの人に見てもらいたいと思うが動員人数は限られるか。
歯科医療に対する国民の要望は、口腔機能の回復のみならず、高い審美性と快適性、QOL(生活の質)の向上へと変化している。歯科技工は歯科医療を根底から支える極めて重要な役割を果たしているが、歯冠修復物や有床義歯の製作にかかわる適正な技術評価が行われていないのが現状である。
歯科技工においては市場原理が全く機能していない。完全放任市場に問題があったため昭和63年に大臣告示があって、やや改善されたが、平成12年頃より急激に悪化してきている。製作される補綴物も3〜5割減少してきたが、最近はほぼ横ばいである。人口の高齢化が進んだ割りには、歯が残ってきているので技工物は増えていない。
日本歯科技工士会の調査結果によれば、「仕事」に対する不満足感は全般的に高く、特に「社会的ステータス」「収入」「生活レベル」「拘束時間」などに対する不満が目立つ。歯科技工所勤務者が概ね予定どおりに休めるのに比べ、自営者は休日返上で働いてる実態が見受けられる。
表は平成2年から29年までの歯科衛生士と歯科技工士の入学定員の数値である。 歯科衛生士については施設数(132→162)と入学定員(7,145→9,072)はともに増えてきているが、歯科技工士は施設数(73→52)、入学定員(3,307→1,845)はともに大幅に減少してきており、技工士の養成学校がない都道府県もある。
最近の技工士養成の学校は募集停止が続き、定員約1,850名の約6割しか入学者がいない事態で、歯科技工士教育は危機的状況に陥っている。求人数は卒業者数をはるかに上回っているのに、待遇(低賃金、長時間労働)が若者の参入を妨害している。
私は、歯科技工士会は低評価となっている補綴点数の引き上げを歯科医師会とともに協議し、提案していくことが得策であり、生活の安定化のための具体的提案(700〜1,000億円)が不可欠であることを訴えてきた。また、理論構築のためのシンクタンクを設立し、会員が一日も早く安心して仕事ができるような環境を整備する必要性についても言及してきたが、危ない水域をすでに超えている。このままいけば、いずれ優秀な歯科技工士がいなくなり、歯科医療が崩壊することは確実だ。根本的な解決策は歯科医療費を増やすこと、そして余裕、ゆとりを持つことである。
この映画を契機に優秀な歯科技工士が増えることを祈りたい。日本歯科医師会も、この問題に真剣に向き合う姿勢が求められる。
< 前
インデックス
次 >
恩師総山孝雄(ふさやまたかお)先生の教え
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
富山県内での産業歯科保健事業からの成果を踏まえて
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
かかりつけ歯科医の役割
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
BGM
良質な音質のBGMを流してます。
安心・安全対策
患者にとってより安全で安心できる歯科外来診療の環境整備は万全
日本歯科医師会
富山県歯科医師会
富山市歯科医師会
ホームへ
お知らせ
医師紹介
スタッフ紹介
施設紹介
アクセス
当院の特徴
お問合せ
Copyright
©
富山市 中道歯科医院 All Rights Reserved.
この作品は、第16回モナコ国際映画祭の最優秀作品賞、助演男優賞(丹古母鬼馬二−在宅の患者役)を受賞した。
瀬古口精良先生によれば、企画のきっかけは3つあったという。まず、1つ目は、むし歯がなく歯科診療所へ通ったことのある若者が減ってきていることから、 歯科技工士や歯科衛生士という職種が存在することを伝えること、2つ目は、口腔の健康が全身の健康に繋がることを映像で表現すること、3つ目は、平成30年に「8020」運動が30周年を迎え、8020達成者が50%超まで上昇したことである。
ストーリーは、技術が高く、容姿も端麗で「王子」と呼ばれるほどの若手の優秀な歯科技工士(23歳)と新人の歯科衛生士が金沢から都会の歯科診療所(山田デンタルクリニック−院長は口が悪い、他歯科医師1、歯科衛生士2、受付1)で働くようになり、患者さんや取り巻く人々と触れ合いながら成長するという内容。日歯会長の堀憲郎氏や瀬古口精良先生もエクストラで出演している。
ダブル主演というような形で、歯科技工士役には高杉真宙さん、歯科衛生士役には安田聖愛さんが選ばれた。二人は高校の同級生。高杉真宙さんは仕事に対する意欲、目つきが歯科技工士役に向いており、安田聖愛さんは秋田美人で、お姉さんが現役の歯科衛生士で秋田から都会に出てきて働いているという。木村祐一、佐藤藍子、藤田朋子、中山秀征、秋吉久美子、松原知恵子ら実力派俳優が脇を固めている。
在宅で寝たきりの方の誤嚥性肺炎の可能性や口腔健康管理など歯科医療の重要性が理解できる内容で、心温まる青春感動ストーリー。ただ、23歳の優秀な歯科技工士という設定や、口腔外から回転しているタービンを口に入れるなど、専門家としては治療内容に疑問がある点も若干あった。多くの人に見てもらいたいと思うが動員人数は限られるか。
歯科医療に対する国民の要望は、口腔機能の回復のみならず、高い審美性と快適性、QOL(生活の質)の向上へと変化している。歯科技工は歯科医療を根底から支える極めて重要な役割を果たしているが、歯冠修復物や有床義歯の製作にかかわる適正な技術評価が行われていないのが現状である。
歯科技工においては市場原理が全く機能していない。完全放任市場に問題があったため昭和63年に大臣告示があって、やや改善されたが、平成12年頃より急激に悪化してきている。製作される補綴物も3〜5割減少してきたが、最近はほぼ横ばいである。人口の高齢化が進んだ割りには、歯が残ってきているので技工物は増えていない。
日本歯科技工士会の調査結果によれば、「仕事」に対する不満足感は全般的に高く、特に「社会的ステータス」「収入」「生活レベル」「拘束時間」などに対する不満が目立つ。歯科技工所勤務者が概ね予定どおりに休めるのに比べ、自営者は休日返上で働いてる実態が見受けられる。
表は平成2年から29年までの歯科衛生士と歯科技工士の入学定員の数値である。 歯科衛生士については施設数(132→162)と入学定員(7,145→9,072)はともに増えてきているが、歯科技工士は施設数(73→52)、入学定員(3,307→1,845)はともに大幅に減少してきており、技工士の養成学校がない都道府県もある。
最近の技工士養成の学校は募集停止が続き、定員約1,850名の約6割しか入学者がいない事態で、歯科技工士教育は危機的状況に陥っている。求人数は卒業者数をはるかに上回っているのに、待遇(低賃金、長時間労働)が若者の参入を妨害している。
私は、歯科技工士会は低評価となっている補綴点数の引き上げを歯科医師会とともに協議し、提案していくことが得策であり、生活の安定化のための具体的提案(700〜1,000億円)が不可欠であることを訴えてきた。また、理論構築のためのシンクタンクを設立し、会員が一日も早く安心して仕事ができるような環境を整備する必要性についても言及してきたが、危ない水域をすでに超えている。このままいけば、いずれ優秀な歯科技工士がいなくなり、歯科医療が崩壊することは確実だ。根本的な解決策は歯科医療費を増やすこと、そして余裕、ゆとりを持つことである。
この映画を契機に優秀な歯科技工士が増えることを祈りたい。日本歯科医師会も、この問題に真剣に向き合う姿勢が求められる。