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中道歯科医院
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2018年3月19日
平成30年3月院長のマンスリートーク◆繰り返される歯科初再診料の悲劇
平成30年3月院長のマンスリートーク◆繰り返される歯科初再診料の悲劇
 平成30年度の診療報酬改定は、診療報酬の本体のアップが0.55%、内訳としては医科0.63%、歯科0.69%、調剤0.19%であったことは以前に述べた。
 今次改正では、歯科外来診療においては、日常的に唾液や血液等に触れる環境下で多くの器具・器材を用いて診療を行っているという特徴を踏まえ、歯科医療機関における院内感染防止対策を推進することとなった。
 基本診療料(歯科初診料、歯科再診料)及び歯科訪問診療料の注13に規定する点数の引上げ(歯科初診料237点、歯科再診料48点)を行うとともに、歯科初診料及び歯科再診料に対して院内感染防止対策に関する施設基準が新設される。また、地域歯科診療支援病院歯科初診料の施設基準に院内感染防止対策に関する内容を追加する。新たに設ける院内感染防止対策に関する施設基準の届出がない医療機関(約14.4%)については、初診料及び再診料は減算される(歯科初診料226点、歯科再診料41点)。
 歯科初診料及び歯科再診料に対する院内感染防止対策に関する施設基準の新設に伴い、歯科外来診療における歯科治療の総合的な環境整備を評価した歯科外来診療環境体制加算の見直し(マイナス2点)も行われた。
 ここで、昭和51年以降の歯科と医科の初診料・再診料の推移を見てみる(表参照)。

 昭和33年から始まった新医療費体系のポイントは、医師・歯科医師の診療に対し実態調査に基づいて定められた適正な診察料を支払うことと注射料・処置料および歯科の補綴料と診察料との関係を整理して、初診時の基本料金を各科ほぼ同一にし大幅な合理化や事務の簡素化を図ったことが、過去の衆議院厚生委員会議事録(昭和29年10月1日)より読み取れる。本来、初診料は診療的行為が明確な内科・小児科的概念であったが、諸外国の診療報酬の例に倣い新医療費体系では眼科や耳鼻科、さらに歯科においても同じように支払うという建て前をとった。初診料と再診料の格差は医療費抑制策と失われた16年が生んだ矛盾の1つといえる。なお、再診料については当初、歯科では診療の特殊性を考慮して、再診時基本診療料は設けず、再診時に行われた歯科処置その他の医療行為の項目で算定することとなったが、昭和60年に点数化された経緯がある。
 失われた16年とは、昭和56年以降の薬剤の引き下げを財源とする医科と歯科の改定率の格差、元中医協委員だった伊東光晴氏(京都大名誉教授)いわく本来制度的に絶対許されないことを山崎元日歯会長が医師会との間で合意したことである。なんと16年も続き、その間に歯科と医科の初診料と再診料は大きな差が開いた。
 平成10年の改正では医科は20点引き上げられて270点、歯科は11点アップで186点となり84点の差がついた。1点アップの影響率が医科より歯科が約3倍弱であるため致し方ないのかもしれないが、ここまでくるとあまりにもひどい。
 初診料の格差については、「診療の対象となる傷病の性質が異なるため、それぞれの診療行為全体の中での初診行為等の基礎的医療行為の行われ方が異なること等から、それらの点数が異なっている」という昔とは違う苦しい政府答弁がなされている。
 その後、平成12年にかかりつけ歯科医初診料(270点)が設けられ、いったん医科の初診料に並んだ(その年の改定率2%の内4分の3に当たる1.5%があてがわれた)が、紙出しという条件が付けられ、あまり普及しなかった。そこで、焦った日歯執行部が自民党の幹部に1億円という闇献金を行ったが、事件化し社会から批判を浴び、平成18年に懲罰的意味で初診料が180点まで下げられた。 その後、少しずつ上がったとはいえ、まだ大きな差がある。
 今回、院内感染対策に関する施設基準の届け出のない医療機関の基本診療料を減算したことは、初診・再診料の医科歯科格差を訴えていた日歯の基本姿勢に逆行するものであるし、基本診療料が一物三価となり、歯科医師の差別化につながり、国民からもわかりにくいものとなってしまった。基本診療料にはシンプルなものが求められるし、切り捨てではなくボトムアップの発想が必要だ。基本診療料のアップに財源(0.69%)の半分程度を当てるべきであったというのが個人的な感想である。
 過去にも誘導を繰り返してきたことが思惑どおりにいかないものが多かったが、今回も同じに終わる可能性が高い。 歯科初再診料の悲劇(今回は施設基準を設けたこと)は再び繰り返されたが、もっと歯科医師はこの事態に大きな声を挙げなければならない。
   


当院の特徴紹介
いつも、総山先生の教えを守るよう治療に当たっています。
院長は、この事業の設立時から中心的役割をにない一定の成果を出しました。
年に1回は必ず「かかりつけ歯科医」で健診することが重要と考えます。
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患者にとってより安全で安心できる歯科外来診療の環境整備は万全