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2017年9月13日
平成29年9月院長のマンスリートーク◆歯科治療の変化−歯内療法・口腔外科・歯周治療−
平成29年9月院長のマンスリートーク◆歯科治療の変化−歯内療法・口腔外科・歯周治療−
本年4月「保存修復及び欠損補綴の減少を実数でみる」で、全般的に平成5年頃から保存修復及び欠損補綴の治療実数が長期減少傾向になって、歯科医療費が伸びなかったと書いたが、今回は、社会医療診療行為別調査の数値から、歯内療法・口腔外科・歯周治療の治療数の変化を振り返る。
歯内療法の代表として抜髄と感染根管処置が昭和61年から平成26年までの29年間にどの位なされてきたかをみたのが図1である。 なお、数値を解釈する上で、この間に歯科診療所の数(47,174→68,592)が1.45倍になっていることを考慮しなければならない。
抜髄は歯髄(歯の神経)の除去療法の一種で、歯根部の歯髄まで全てを除去する治療法で、回復不能な病的歯髄を除去し、患者さんの苦痛を緩和させるとともに根尖歯周組織の病変の発現を防止するものであるが、補綴的理由(冠をかぶせるため)により便宜的に健康歯髄が除去されることもある。 一方、感染根管処置は根管内の感染物質を除去し、消毒を行う治療法でこれらの治療により根尖歯周組織は安静に保たれ根尖部の病変は治癒し、歯は歯槽窩内で健康に機能することとなる。
抜髄と感染根管処置は昭和63年から徐々に減少してきた。 根管の数別にみると、平成26年の抜髄単根、抜髄2根、抜髄3根以上、感根処単根、感根処2根、感根処3根以上は、それぞれ324万本、142万本、379万本、464万本、148万本、423万本で、一番多かった時と比べそれぞれ63%、60%、49%、58%、61%、47%減となっている。
抜歯は歯を歯槽より摘出する術で、局所麻酔を行い、歯をヘーベルという器材で脱臼させて鉗子(歯を抜くペンチ)にて除去するものであるが、水平埋伏智歯など歯の状態により、粘膜や骨膜を切開、剥離したり、歯を分割して摘出する場合もある。
抜歯は、う蝕(むし歯)の減少と大いに関連し、昭和61年から徐々に減少してきた(図2)。歯種、術式、状態別で、乳歯、前歯、臼歯、難抜歯、埋伏歯と分けると、26年にそれぞれ302万本、358万本、841万本、178万本、70万本で、それぞれ一番多かった時と比べそれぞれ61%、46%、37%、43%減、埋伏歯は逆に2.5倍となっている。
最後に取り上げる歯周治療は炎症の除去、ポケットの改善と歯周組織病変部の再生にあるが、治療法として①歯周基本治療、②歯周外科手術、③再評価、④メインテナンスがある。歯周基本治療はプラークコントロール、スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング、歯周ポケット掻爬などである。 歯周病は原因、症例が多種多様であるため、その治療法も非常に複雑である。
歯周基本検査(かつての一般検査)、歯周精密検査(かつての精密検査)、スケーリング(SC)、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)、歯周ポケット掻爬(PCur)、歯周基本治療処置(P基処、かつての歯槽膿漏の処置)を昭和61年から平成26年まで見たのが図3である。
歯周基本検査(かつての一般検査)は昭和63年から平成7年までは3分の1顎1回の算定であったが、現在は1口腔単位で実施されている。 歯周精密検査(かつての精密検査)はずっと1口腔単位である。 歯石除去(スケーリング)はずっと3分の1顎の算定であるが、歯周ポケット掻爬(盲嚢掻爬、PCur)は平成7年まで、3分の1顎1回の算定、現在は1歯単位である。 スケーリング・ルートプレーニング(SRP)は平成8年に導入され1歯単位の算定である。 歯槽膿漏の処置(平成6年から歯周疾患処置)は平成17年まで1口腔1回の算定(10点-点数アップは1回もなし)であったが、平成22年からの歯周基本治療処置(現在の歯周疾患処置はポケット内に薬剤を注入した場合算定するもので14点)は1口腔につき月1回(10点)である。 17年までの歯周疾患処置は18年から21年までは診察料に丸められた。 いずれにしろ、歯周治療の算定は複雑で一貫性がない。
歯槽膿漏の処置(平成6年から歯周疾患処置)は昭和61年から平成17年までで3倍になった。その後も少しずつ伸びている。歯石除去(スケーリング)は29年間で5.37倍になったように、保存修復及び欠損補綴の治療実数が長期減少傾向になって、歯科医療費が伸びなかった中で、唯一と言って良いくらい成長分野である。 かつては、う蝕や義歯で忙しくて、歯周治療まで手が回らなかったものが、まともになってきたのが実態であろう。
「歯周病の診断と治療のガイドライン」に基づく平成8年の歯周疾患治療の再編統合が効を奏してきた事は評価すべきものである。しばらく、この傾向は続くものと思われる。 保存修復及び欠損補綴の治療実数も横ばいとなってきており、歯科医療は安定期に入ってきている。 もう、歯科医師は過剰ではない。
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歯内療法の代表として抜髄と感染根管処置が昭和61年から平成26年までの29年間にどの位なされてきたかをみたのが図1である。 なお、数値を解釈する上で、この間に歯科診療所の数(47,174→68,592)が1.45倍になっていることを考慮しなければならない。
抜髄は歯髄(歯の神経)の除去療法の一種で、歯根部の歯髄まで全てを除去する治療法で、回復不能な病的歯髄を除去し、患者さんの苦痛を緩和させるとともに根尖歯周組織の病変の発現を防止するものであるが、補綴的理由(冠をかぶせるため)により便宜的に健康歯髄が除去されることもある。 一方、感染根管処置は根管内の感染物質を除去し、消毒を行う治療法でこれらの治療により根尖歯周組織は安静に保たれ根尖部の病変は治癒し、歯は歯槽窩内で健康に機能することとなる。
抜髄と感染根管処置は昭和63年から徐々に減少してきた。 根管の数別にみると、平成26年の抜髄単根、抜髄2根、抜髄3根以上、感根処単根、感根処2根、感根処3根以上は、それぞれ324万本、142万本、379万本、464万本、148万本、423万本で、一番多かった時と比べそれぞれ63%、60%、49%、58%、61%、47%減となっている。
抜歯は歯を歯槽より摘出する術で、局所麻酔を行い、歯をヘーベルという器材で脱臼させて鉗子(歯を抜くペンチ)にて除去するものであるが、水平埋伏智歯など歯の状態により、粘膜や骨膜を切開、剥離したり、歯を分割して摘出する場合もある。
抜歯は、う蝕(むし歯)の減少と大いに関連し、昭和61年から徐々に減少してきた(図2)。歯種、術式、状態別で、乳歯、前歯、臼歯、難抜歯、埋伏歯と分けると、26年にそれぞれ302万本、358万本、841万本、178万本、70万本で、それぞれ一番多かった時と比べそれぞれ61%、46%、37%、43%減、埋伏歯は逆に2.5倍となっている。
最後に取り上げる歯周治療は炎症の除去、ポケットの改善と歯周組織病変部の再生にあるが、治療法として①歯周基本治療、②歯周外科手術、③再評価、④メインテナンスがある。歯周基本治療はプラークコントロール、スケーリング、スケーリング・ルートプレーニング、歯周ポケット掻爬などである。 歯周病は原因、症例が多種多様であるため、その治療法も非常に複雑である。
歯周基本検査(かつての一般検査)、歯周精密検査(かつての精密検査)、スケーリング(SC)、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)、歯周ポケット掻爬(PCur)、歯周基本治療処置(P基処、かつての歯槽膿漏の処置)を昭和61年から平成26年まで見たのが図3である。
歯周基本検査(かつての一般検査)は昭和63年から平成7年までは3分の1顎1回の算定であったが、現在は1口腔単位で実施されている。 歯周精密検査(かつての精密検査)はずっと1口腔単位である。 歯石除去(スケーリング)はずっと3分の1顎の算定であるが、歯周ポケット掻爬(盲嚢掻爬、PCur)は平成7年まで、3分の1顎1回の算定、現在は1歯単位である。 スケーリング・ルートプレーニング(SRP)は平成8年に導入され1歯単位の算定である。 歯槽膿漏の処置(平成6年から歯周疾患処置)は平成17年まで1口腔1回の算定(10点-点数アップは1回もなし)であったが、平成22年からの歯周基本治療処置(現在の歯周疾患処置はポケット内に薬剤を注入した場合算定するもので14点)は1口腔につき月1回(10点)である。 17年までの歯周疾患処置は18年から21年までは診察料に丸められた。 いずれにしろ、歯周治療の算定は複雑で一貫性がない。
歯槽膿漏の処置(平成6年から歯周疾患処置)は昭和61年から平成17年までで3倍になった。その後も少しずつ伸びている。歯石除去(スケーリング)は29年間で5.37倍になったように、保存修復及び欠損補綴の治療実数が長期減少傾向になって、歯科医療費が伸びなかった中で、唯一と言って良いくらい成長分野である。 かつては、う蝕や義歯で忙しくて、歯周治療まで手が回らなかったものが、まともになってきたのが実態であろう。
「歯周病の診断と治療のガイドライン」に基づく平成8年の歯周疾患治療の再編統合が効を奏してきた事は評価すべきものである。しばらく、この傾向は続くものと思われる。 保存修復及び欠損補綴の治療実数も横ばいとなってきており、歯科医療は安定期に入ってきている。 もう、歯科医師は過剰ではない。